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うたいかける声の心地よさ

私は、通常のコンサートでは、敬遠されがちな乳幼児・幼児とその保護者が一緒に楽しめる演奏会「小さな子どものためのコンサート」を実施しています。この演奏会のプログラムは、小さな子どもに絵本の読み聞かせをしてあげる様な流れになっていて、子守唄から始まり、四季を通じて赤ちゃんの成長していく過程を、台詞とうたで綴っています。そして、プログラムの最後には、アンコールとして、原語でオペラのアリアや芸術歌曲を1〜2曲歌います。この演奏会は、保育園、幼稚園、小学校、公民館などを大屋省子会場とし、ピアノがない所には、鍵盤楽器を運んで行なっています。演奏時間は、乳幼児・幼児の集中力、耐久力を考慮し、約40分としています。
この演奏会における乳幼児・幼児の反応は、「子守唄」を歌っている時は、保護者の膝の上でじっと聴いています。「童謡」を歌い始めると、幼児は、聞き覚えのあるうたは、一緒に歌おうとし、歌いながら私の動作も真似ます。そして、アンコール曲では、最も驚嘆の反応を示し、目をパチクリさせて聴き入ります。彼らは、原語で歌うオペラのアリアや芸術歌曲もちゃんと聴けるのです。これは、彼らが、うたを感性で受け止めている表れでしょう。
私は、このコンサートの反響から、何かを表現する人間の温かい生きた歌声は、幼児はもとより多くの人々の心に直接響くこと、また、歌曲の意味する音楽表現は、言葉を超えて心を捉え、動かす不思議な力がある事を理解しました。
このコンサートを開催するたびに、子どもの反応に私自身が感動する喜びを与えてもらっているような気持ちになります。また、常々感じている事ですが、歌は、心と身体を通した感情の表現ですから、お父さんお母さんお祖父ちゃんお祖母ちゃんが日常生活の中で自然に生まれてくる湧き出る思いを自由に子どもに向けて発信してみて下さい、心を込めて!きっとその声は、素晴らしい響きを持った生きた温かい歌声となって、子どもの心に届くはずです。
世界に誇れる素晴らしい日本の子守唄を紹介します。
「ねんねしなされ、今日は二十五日、明日はこのこの誕生にち よ ほほ。親を見たけりゃ、この子を見やれ、親に良く似た、器量よし よ ほほ。家のこの子は、泣きみそ、きみそ、誰がきみそと、名をつけた よ ほほ。」*
孫の子守をしているおばあちゃんが、我が孫を自慢した内容の歌です。子どもをいとおしむ溢れんばかりの気持ちが良く現されています。二十五日というのは、学問の神様で有名な菅原道真(天神様)の誕生日です。その次の日に生まれた喜び、泣きみそをきみそ(天神様)とダブらせている事など、自慢したくてしょうがない愛情たっぷりの内容です。また、メロディーも日本の伝統的な音階構成になっているので、世界に誇れる日本の文化の一つ…だと思います。
*出典;コダーイ芸術研究所 編「まめっちょ2」

こどもとわらべうた

わらべうたってなあに?

簡単に言うと、子どもが自ら創造して遊びながら歌ううたの事です。
子ども達が何らかの動作を伴って遊びながら歌っているうた、例えば、「お手玉うた」「てんまりうた」「なわとびうた」「はねつきうた」「じゃんけんうた」「お手合わせうた」「おはじきうた」「石蹴りうた」「鬼遊びうた」「となえうた」「絵かきうた」などをわらべうたといいます。子どもの世界におけるわらべうたは、社会的・音楽的に捉えてみると、たとえ古いものであっても、現在ではすでに形が変わり、常に子どもの即興性や創造性が加えられて伝承されてきていますが、新しいものでも、それが基づいているリズムや音程感覚は、従来のわらべうたの伝統に依存しています。
大屋省子、シャリーバンクさんと明治以前は、日本人の100%に近い人々が音楽教育を受けることなく、ほとんど口伝えでうたを歌っていました。特に子ども達の間に伝承されてきたうたは、ラドレという音を基に構成されています。
このラドレの音は、学校の音楽の授業で習うドレミファソラシドという音階とは全く違った原理で出来ています。ドレミファソラシドが西洋で生まれて使われてきた音階に対し、ラドレの音は、日本で昔から使われていた音です。このような音階の事をテトラコード(4度音程)と言います。
わらべうたは、このテトラコードが組み合わされて構成された狭い音域の歌いやすく覚えやすい音階で、日本語の高低アクセントやイントネーションに良くあった旋律の流れと、遊んでいる子どもの動作に伴うリズムの動きが自然にかみ合っています。このようなわらべうたを伴う遊びの生活の中で、子ども達は自分流にわらべうたを創造し、即興的な変化を加えて自由な雰囲気を味わい、表現活動の面白さや楽しさを無意識に体験しています。

音楽的ねらいについて

音楽の基礎となるソルフェージュを練習すると、視覚、聴覚、運動の3つが結び付けられ思考の発達を助けます。
ソルフェージュ教育の中の音楽のリズムは、集中力、注意力、毅然とした態度を育て、動作は、身体表現を豊かにします。リズムというのは、長い音と短い音の変化ですが、このリズム(拍)のもとは、鼓動です。鼓動は生命の音、絶対的なもの(宿命)です。鼓動のテンポ(速度)を決定するのが動き(動作)です。
また、メロディーは、感情を育てます。音色は、感覚器官を磨きます。歌の言葉は言語表現を豊かにします。言語学習と同じように、歌う事は記憶も発達します。

 このような音楽的ねらいを持って、わらべうたを教材に、「こどものためのドラマスクール・表現コース」の子ども達と遊んでいます(主催:(財)飯塚市教育文化振興事業団、飯塚市教育委員会主催、 協力:(特非)こどもと文化のひろば わいわいキッズいいづか)。